埋蔵文化財調査と手続き@医院クリニックビル医療モールビル

「周知の埋蔵文化財包蔵地」

鎌倉市は12世紀後期から始まる武家政権の鎌倉幕府が開かれた場所です。奈良、京都と並んで歴史的政権の舞台となった土地では、政権時代の建物や器物の遺構が地中に埋蔵されていることが多く、新たに建物を計画する場合には、事前に担当部署である教育委員会の「埋蔵文化財保存課」もしくは担当窓口に協議をする必要があります。

計画のはじめには、計画敷地が「埋蔵文化財包蔵地」であるかどうかを教育委員会の埋蔵文化保存課に赴き照合確認します。これは周囲地域の以前の調査で、当該敷地に埋蔵文化があったかどうかで区別されているものです。

敷地が埋蔵文化財の包蔵地であれば、工事着手前に文化財保存課担当窓口と協議した方法で調査をしなければなりません。調査の方法は、包蔵されている文化財の内容によって異なります。

一般的に地表面は長い時間を掛けて土砂が堆積したという認識から、現状の地表面から約60センチメートルより深い部分に文化財があるとされていて、そこまでは建物の基礎等は自由に構築して良いとされている地域が多い傾向にあります。

埋蔵文化財の試掘調査と本調査

今回もまずは試掘として部分的な掘削が、担当係官立会の上で行われました。その際、文化財の存在が認められなかったので、「文化財の埋蔵なし」と判断され、計画通りの地中基礎および杭の施工が認められました。

この試掘の費用は、建て主様の負担で行わなければなりません。逆に試掘の結果、「文化財の埋蔵有り」と認められた場合は、本格的調査を行わなければなりません。建て主様への影響は、

  • 埋蔵文化財の本調査が長期化すること
  • 埋蔵文化財を取り壊さない要望を受けること

新たな建物が建てられるまでに長期に渡り時間が掛かったり、建物の形や規模を変更せざるを得なくなることが懸念されます。さらにこれらに関わる費用や賠償を行政は何ら保証しないことです。

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