子ども小児歯科医院クリニックの診察室内装デザイン設計図

茨城県つくば市の学園の森に新たに開院された「がくえんのもり小児歯科」様の内装設計と工事では、小規模な医院であることと、子どもを常に見守れるように、間仕切り壁を可能な限り無くして広く見せたり、子どもが隠れないように死角をなくす工夫がされました。

間仕切り目隠しを設けない

診察室は初めは2台の診察台ユニットで、将来1台増設する方針で、個室にしないで、さらに診察台と診察台の間にも目隠しになるようなものは一切置かず、オープンな医院になるようにされました。

整形な診察室に2台の診察台が置かれているだけです。

片方の壁には、

  • 消毒室
  • X線室
  • 相談室
  • スタッフルーム

の出入り口扉が並び、

もう片方は、

  • 洗口台
  • 手洗い作業台

が並べられています。

個室にすると増えるもの

ただ、診療治療が長時間におよぶ患者さんも予想され、長時間の診察台のストレスを和らげるために、いずれかの方法で診察台の1台を囲える方法が必要になりました。

1台の診察台を他から見えないように囲う=間仕切りられることになります。この場合、安易に間仕切る何かを設けるだけでは支障が生じるので注意が必要です。

換気・エアコン

広い部屋の一部分を間仕切りで囲うと、空気の流れが変わるので、間仕切られたスペースは独立した設備が必要です。

特に空調エアコンや換気は、小さくとも個別の器具の設置が必要と思われます。

照明の切り替え

照明は、間仕切られた部分が独立して、スイッチがオン・オフ出来るようになっていると、便利です。その部分だけ安息するためにも消灯できると、使い勝手はより広がることになります。

ランマを開ける

広い部屋の一部を小スペースに区分する場合に、理想的には個別の空調エアコンや換気があることが望ましいのですが、小スペースにする利用が稀な場合は、個別に追加する設備は過剰なので、空気の通りが良いようにして、個別の設備をしないようにしました。

今回の医院部分は天井が高く、面積の狭さを凌駕する開放感がある容積感があります。

間仕切る面の高さを2メートルくらいに抑えれば、その上部(建築用語で欄間ランマ)部分を開放して、空気の流れを良くすれば、空調エアコン換気設備を個別に設けることなく、間仕切れることになりました。

間仕切り引戸か?カーテンか?

設備の問題をクリアした後は、どのように区分するか=間仕切りの形状方式はどうするかを検討しました。

検討当初は、左右に張られたレールから吊り下げられた板状の6枚の引戸が普段は壁際に収められていて、区切る時は引っ張られてスライド移動して間仕切られる方式を考えていましたが、子ども達がスライドした引戸に寄りかかると危険になる可能性があるのと、工事費が高額になることを踏まえて、カーテンで仕切ることになりました。

ユニットを斜めにする

診察室の限られたスペースに、長さが2メートルある診察台を壁に平行にして置くと、診察台の足元と頭部の手前は、一番狭くなることになります。

今回のテナント部分では、診察台の頭部の先に建物の出っ張り(設備配管を通すパイプシャフト)があり邪魔でした。その邪魔と思える出っ張り(パイプシャフト)から、診察台の頭部を遠ざけるように診察台を回転させると、壁と診察台の間に隙間が生まれ、医師先生や衛生士の診察するスペースが生まれ、さらには付き添う家族が座って待てるスペースも生まれ、さらには患者さんの視線も隣りから離れる角度になり、非常に効率の良い配置になれました。

これは診察台と診察台の間に壁や目隠し板を設けていないから出来た配置と言えます。

最終的な配置になるまで時間は要しましたが、医師先生にとって納得をしてくださった診察室の配置になったと思います。

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