薬局の建替え工事中に仮設薬局店舗を建てる

旧耐震の調剤薬局建物を建て替え

大磯ロングビーチで知られる大磯プリンスホテル近くの東海道国道一号線沿いに建つ「ことぶきや薬局」様は、老舗の調剤薬局店舗です。

既存建物店舗建物は木造の「旧耐震」で、薬局店舗併用のご家族皆で住む二世帯住宅に建て替えることになりました。

工事建て替え中、薬局店舗を休局しないで継続開局して地域医療を維持するために、仮設建物を建てて仮設調剤薬局を開局することにされました。

駐車場借地に仮設薬局を建てる

仮設薬局建物を建てる場所は、お客様用駐車場として借りていた近隣地に建てることを考えました。

このタイミングで仮設薬局と建て替える薬局店舗の設計のご相談をいただきました。選んでいただいた理由は、「薬局の設計の他にも、建物外観や看板などの薬局の経営にも関わる内容も相談出来ると分かったから」と教えてくださいました。

はじめに、今後薬局を再開局するまでに、何が必要かを順番に書き出して皆様で確認して、順次進めていくことになりました。

  • 借地に仮設薬局建物を建てる承諾
  • 建て替え工事中の仮設薬局建物の設計
  • 仮設薬局建物を建てる会社に見積依頼
  • 仮設薬局建物を建てる会社決定
  • 仮設薬局建物の許可申請届出
  • 仮設薬局建物の確認申請届出
  • 保健所に薬局開局届出
  • 仮設薬局建物の工事
  • 仮設薬局建物に引っ越し+開局

仮設薬局建物計画に並行して、以下の内容が進められる予定です。

  • 薬局店舗併用二世帯住宅の設計
  • 薬局併用住宅の確認申請届出
  • 既存薬局店舗解体
  • 薬局併用住宅の地鎮祭
  • 薬局併用住宅の工事
  • 薬局店舗の保健所申請
  • 併用住宅への引っ越し
  • 薬局店舗の内装+看板工事
  • 薬局店舗の開局
  • 仮設薬局建物の解体撤収

借地大家さんの承諾

駐車場として借りている敷地に仮設薬局建物を建てる承諾を、大家さんに相談していただきました。長い良好なお付き合いから、直ぐに承諾が得られました。

このご承諾は、確認申請や工事建設の折りに確認を求められることがあるので、覚え書きなどで書面として残しておくと安心です。

仮設建物も建築確認申請が必要

建て替え工事中の仮設薬局建物は、約10ヶ月間の予定で設けることになりました。

1年以内の建物で必ず解体撤去するものでも建築確認申請は必要です。建築基準法では「土地に定着する工作物」が関係規定に適合するものであることの申請をして確認を受けなければなりません。(ホームセンターで売っている金属製の物置も本来はこの申請をしなければなりません)

しかし仮設建物に利用されるレンタル品を調べると、この10ヶ月の期間では割高なモノが多く、安価なモノを探すと建築基準法の規定に沿わないモノが多いことが分かりました。

そこで10ヶ月で取り壊してしまう仮設建物ですから、少しでも安価な仮設建物で、建築基準法の規定に沿わない仮設建物を「建築許可申請」を届け出て、仮設薬局建物の建築を認めてもらう方法を選びました。

建築許可申請

仮設建物でも建築基準法に沿わない建物を建築する場合は、法に沿わない内容が、

  • 現地の状況
  • 建物の代替え措置

などを考えても、安全と判断出来るときは、特定行政庁(今回は神奈川県知事)が建物を建てることを許可します。この届出申請が「建築許可申請」です。明確な基準がありませんので、許可が下りるかどうかは分かりません。

許可申請が下りるかどうかは、事前に許可申請窓口担当官に事情と内容を良く説明して相談し、下りる条件を綿密に確認し、下りる目処を立てて方針としました。

今回は外壁の防火性能=窓が防火性能を満たされないため、防火性能が低い窓でも火災に関わる安全が保たれると判断してもらい、建築基準法 第85条 第5項規定について、建築物の存置期間を限定しその後すみやかに建築物を除去することを確約して、仮設建物を建築する許可が下りました。

仮設建物による薬局店舗

仮設建物は予算を出来る限り抑えるためにも、なるべく単純なものにして、内部の間仕切りや設備も極力種類も数も少なくしました。

建物本体はプレファブ建物で、内装は一般的なものなので、建物と内装は工事を分けて見積りを依頼しました。

「プレファブ」とは・・・プレ+ファブリングの短縮語で、あらかじめ敷地外の場所で建物の部材を各々組み立てておき、敷地に運び入れて組み立てるだけで、現地の作業を極力少なくして現地工事期間を短縮する工事建物のことです。

建物金額の見積りは複数の会社に依頼をしましたが、繁忙のためお断りされる方もありながら、いただいた見積り金額を確認して、ことぶきや様に工事を依頼する会社を選んでいただきました。

プレファブというくらいですから、建物は一夜城のごとく出来上がり、検査を受けて合格して、仮薬局として無事開局しました。

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