軽量鉄骨造2階建賃貸アパートの屋根外壁経年劣化改修工事診断

ハウスメーカー様が設計施工一括方式で建てられて、今も家賃保証契約が続いている軽量鉄骨造の2階建賃貸アパートで、屋根防水と外壁に関わる改修工事の必要・不要の診断をさせていただきました。

実はこの建物は親族が所有する物件で、所有者のお父様が建てたものを相続したもので、元から賃貸物件に関わる知識や経験がない状態で引き継ぎ、家賃保証契約が結ばれている会社や管理会社の提案をそのまま受け入れてきたけれども、金銭的に「大家さん」にならない状況まで来て「自分は騙されていないか?」と思い始めて、相談を受けた次第です。

完成から20年が経つアパート

完成から20年が経つ建物では、管理会社からの提案により複数回の大規模・小規模の改修工事が行われていたようです。

建設当初の大家さんもご逝去されて、突然の相続で所有者となった現在の大家さんは建物や賃貸事業に関わる知識が一切無い状況で、家賃保証をして下さる方も、賃貸建物管理をして下さる会社様も、工事金額の見積りを説明して下さる会社様も、皆様大家さん自身のために気配りをして下さっていると信じておられました。

大家さんの理解と管理会社の改修工事見積り

提案(屋根材の劣化による漏水を防ぐ改修、外壁材の劣化による塗装など)を、建物に対する正しい知識や経験がない大家さんが受けると「改修工事を提案通りに行わなければ大変なことになる」という意識に変わってしまい、そのまま受け入れ、予算を投じて、提案の内容や提示された工事金額の見積りが真っ当であるかどうかの査定もなく、行われていたようです。

結果、家賃収入のほとんどは改修工事の費用となっていたようです。

ご相談を受けた際の私からの説明は、まず大家さんを取り巻いていた方々が行って来た行動の内容を、世の中の真っ当な行いと金額の比較説明でした。当然一度や二度では真実は分かってくれません。数度の説明に渡りましたが、本当に真実をご理解いただいたかは、未だ不明です。(管理会社からの改修工事提案の見積りと説明は「もう一切聞く必要はありません」と説明して理解してくださっていても「先日お見積りと説明をもらった」とお話しいただく次第です)

本当に必要な改修工事

そこでまず、建物本体の、

  • 屋根防水の劣化度と改修工事の必要性
  • 外壁改修工事=外壁再塗装・目地シールの劣化度

を、手で触って確かめました。

外壁の目地シールについては、大家さんにも触っていただき、

  • 弾力性
  • 粘着性
  • 表面のひび割れ度合い

を見てもらい「何がどうなったら改修が必要か?」を体験してもらいました。

大家さんの立場に立った改修工事の要否を診断

建物に必要なメンテナンス=改修工事は、その材料の劣化度により必要・不要を判断することができます。

ただし実際は、大家さんの運用資金状況も把握しなければ、もしかすると負担や不満を残す工事になり兼ねません。

そこで大家さんには、屋根材や外壁材の状況を報告し、数年後の改修工事を見据え、改修工事費用の確保と改修工事を正しく行う診断を続けましょうと進言し、承諾を得られました。

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