工場事務所オフィス地中梁基礎構造コンクリート打設品質監理

コンクリートを「打つ」

コンクリートは木の板で組み立てられた箱(型枠)に、別の場所でセメントと石と砂と水を事前に練り込んだ生コンクリートを流し込んで、固まると出来ます。生コンクリートはバサバサのものやドロドロのものがありますが、型枠に流し込んだら直ぐに、生コンクリートを叩いたり振動を与えてコンクリートの中に入った空気を出す必要があり、そのために箱(型枠)を叩いたりしたことからコンクリートを「打つ(打設する)」と呼ばれるようです。

コンクリートの性質

コンクリートはセメントと石と砂を混ぜ込んだものに水を入れるとセメントが「水和反応」という化学反応によって硬化することを利用して造られるものです。

コンクリート自体は上からや横から押される力(圧縮される力)に非常に強い性質があります。逆に引っ張られる力には弱く、引き裂かれてしまいます。

この圧縮力に強く引張力に弱い性質を、コンクリートの中に引張力に強い鉄棒(鉄筋)を挿れて補強したものが「鉄筋コンクリート」です。

コンクリートの強度

コンクリートを造ると、その圧縮強度はある時期まで強さを増し続けます。その後は緩やかに強度は下降します。厳格な指標はありませんが、コンクリートの圧縮強度が14N/mm2を下回れば建物の利用存続を検証する指標があります。また設計時の圧縮強度の1/3を下回ると、コンクリート自体が自重で崩落すると言われています。よって完成から40~50年以上が経っている建物は注意が必要です。

鉄筋コンクリートの寿命

鉄筋コンクリート造の建物の寿命は、コンクリートの強度が低下するだけでは決まりません。内部に挿し込まれている鉄筋の状態も重要です。

鉄筋が問題となるのは、

  • 錆びて引っ張り力を発揮出来なくなる
  • 錆びて膨張してコンクリートを爆烈させてしまう

状態です。

では鉄筋は何故錆びるかですが、鉄筋が表面から酸性化するためです。コンクリートはアルカリ性で、このアルカリ性が保たれている限り鉄筋は錆びません。

ただし、

  • コンクリートにひびが入り、水が進入して鉄筋に付くと錆び始めます
  • 鉄筋を囲っているコンクリートがアルカリ性から中性になると鉄筋が錆び始めます

コンクリートは10年で1センチずつアルカリ性から中性に変化するとされています。これを「コンクリートの中性化」と呼んでいます。鉄筋はコンクリートの表面から最短でも3センチ以上内部側に挿し込まれるように設計され、工事されています(いるはずです)。つまりどんなに早くてもコンクリートが表面から中性化して鉄筋の被さりにアルカリ性がなくなって錆び始めるのに30年は必要です。また、コンクリート表面には仕上材を貼ることが多く、仕上材があることでコンクリートの中性化を遅らせたり、仕上材を貼らない打ち放しコンクリートの場合はコンクリートを打ち増しするのが通例で、打ち増しコンクリートの厚みが2センチとするとコンクリート表面から鉄筋迄の距離は5センチになり、鉄筋が錆び始めるまでに50年となります。最近の鉄筋コンクリート造建物の寿命が30~50年と言われるのはこのためです。

ただ近年は、このコンクリートの中性化を復旧する方法が確立されていて、コンクリートの中性化によって寿命を迎える心配はなくなりました。しかしながらコンクリートの圧縮強度がなくなるのを止めたり復旧する方法は未だありません。

コンクリートの品質監理

鉄筋コンクリート造の寿命を少しでも永くするために、造られるときの品質監理は非常に重要です。

まずは工事者とは分離している監理者を置くことです。監理者の不在は、手抜き工事や工事の間違い隠しを誘う原因のひとつです。

次に生コンクリートの材料を出荷する工場を規格・仕様に沿って選び、設計で指定している性能以上の材料を出荷してもらいます。

性能はコンクリート強度や生コンクリートの柔らかさの制限(スランプ値)が指定されていて、温度による品質低下を避けるための材料成分の補正も行われます。

横浜の工場内管理事務所オフィス建物の工事で、基礎地中梁のコンクリートを打設する当日は、初めに運ばれて来た生コンクリートの状態が注文した性能以上になっているかを確かめました。

コンクリートスランプ測定

  • スランプ=生コンクリートの流動性を示す値
  • 空気量=生コンクリート中の空気量の値
  • 塩分量=生コンクリート中の塩分量の値
  • 温度=生コンクリート中の温度

コンクリート受入れ検査

合格を確認出来次第、直ぐにコンクリー打ト設が始まります。このチェックはコンクリートミキサー車数台毎に行われます。写真の円柱状の鉄管に入れられたコンクリートは試験場に運ばれて、コンクリートの圧縮強度を試すものとして保管されます。1週間後と4週間後に圧縮破壊されて、強度を測定します。この測定によって、打設されたコンクリートの圧縮強度を想定します。

コンクリートミキサー車によって運ばれた生コンクリートをポンプ車に流し入れます。生コンクリートは圧送されホースの先から流れ出ます。生コンクリートは型枠に流し込まれていきます。

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