和風数寄屋木造二世帯住宅の屋根形状庇軒先意匠デザイン

屋根の形・掛け方

和風二世帯住宅の建替えで、間取りプランが玄関を中央にして、親世帯と子世帯が左右に展開分離する間取りに決まり始めたとき、同時に外観が和風住宅になるデザインの最大の要素である屋根の形(屋根の掛け方)の検討が始りました。

日本の屋根の掛け方と呼び名は、

  • 片流れ(かたながれ)
  • 切り妻(きりづま)
  • 方形(ほうぎょう)
  • 寄せ棟(よせむね)
  • 入母屋(いりもや)
  • 陸屋根(ろくやね)

などが基本型としてあります。

新築ですので、ひとつの掛け方によって全体の調子をまとめていく方針にしました。(部分的に用途に違いがあったり、増築する場合は、全体との調子とは別な掛け方にすることはあります)

屋根の掛け方の検討は、3次元なので模型を作って検討しました。

数種類の屋根の掛け方を変えた模型を作り、見た目の印象、掛け方による長所短所をあげて建て主様に説明し、最終的に切り妻型の屋根形状が選ばれました。(下の写真の左下)

大きな屋根庇

和風建物の大きな特徴として、建物から大きく迫り出した屋根庇があります。これは日本風土の特徴である、夏暑く、冬寒い環境で少しでも過ごし易くするために、太陽高度が高い夏の陽射しを遮って暑さを避け、高度が低い冬の陽射しを取り込んで内部を暖めるために出来た形式と言えます。

庇の下は縁側となり、内部と外部との中間部分になって和風建築の構成を際立たせます。

必要な柱・梁構造

大きな庇を支えるための構造で、縁側に柱が立ち、庇を支えるために梁が架けられます。その上に垂木が並べられて柱と梁を越えて屋根庇が伸ばされて、深い屋根庇の縁側空間が造られます。

軽快に見せる工夫

大きく深い屋根庇は、建物左右にも長く伸びています。長大に見える屋根庇を重々しくしないで、軽快な組立に見せるような工夫を施しました。

大きく迫り出す庇の先端を支える垂木を、先端では細くなるように段を付け、大きな部材が見えることなく、先端部分の断面積が小さくなるようにして、長大でも繊細軽快な印象を与えられるような陰影表現になっています。

質素で簡素な造りを好む数寄屋建築の表現になれればと思いました。

 ▷関連解説記事 →「和風宅の数寄屋外観屋根デザイン」
         →「和風住宅の外観外装数寄屋意匠デザイン」
         →「和風数寄屋住宅の屋根庇軒先意匠デザイン」
         →「和風数寄屋住宅の樋の無い軒先の屋根雨水排水処理」
         →「和風菓子店舗建物の勾配切妻屋根意匠と本瓦金属板噴き材料」

雨仕舞い水切り

屋根庇には雨水が降り、勾配に従って先端に流れ落ちます。流れ落ちる雨水は、庇の先端に雨樋を付けて集めて落水させるか、そのまま垂れ流すかの方法があります。

庇先端を繊細軽快な形状にしたものに雨樋を付けると、繊細軽快感が削がれてしまうことからも垂れ流しにして、地面に排水側溝受けを設けて、雨水を排水することにしました。

先端の雨水をしっかり切り落とすために、先端は金属板を加工して仕上げました。

見た目には判らない仕上げですが、建物を雨水から守るのと、綺麗に見せる意匠の両立がなされています。

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