夏至冬至春分秋分太陽南中高度角度と住宅の縁側軒先庇と日当り

夏至冬至春分秋分の太陽高度

我が国 日本には四季があります。6月 (水無月) の夏至と、 12月 (師走) の冬至では、太陽が通る高さが変わります。それは地球自体が傾いて (地軸 23.4度) 自転しながら 太陽の周りを廻っている (公転している) ためです。

日照時間の差

日本が赤道から北に35度 の位置にあるために、夏季は日照時間が長くなって暑くなり、冬季は日照時間が短くなって寒くなります。

東京では夏至の日照時間は15時間35分、冬至は9時間45分で、その差は5時間50分です。

南中時の太陽高度

日本の夏至と冬至および春分と秋分の南中時の太陽高度は以下の算定式で計算できます。

  • 春分の太陽南中高度 = 90度 − 計測点の緯度 ± 0
  • 夏至の太陽南中高度 = 90度 − 計測点の緯度 + 23.4(地軸度)
  • 秋分の太陽南中高度 = 90度 − 計測点の緯度 ± 0
  • 冬至の太陽南中高度 = 90度 − 計測点の緯度 − 23.4(地軸度)

東京なら(緯度を35度として)

  • 春分の太陽南中高度 = 90 − 35  ± 0       = 55.0(度)
  • 夏至の太陽南中高度 = 90 − 35 + 23.4 = 78.4(度)
  • 秋分の太陽南中高度 = 90 − 35  ± 0       = 55.0(度)
  • 冬至の太陽南中高度 = 90 − 35 − 23.4 = 31.6(度)

となります。

縁側の深い軒先庇の効果

日本は、

夏は、日照時間が長くて 南中高度が高いため、暑く
冬は、日照時間が短くて 南中高度が低いため、寒い

このような気候風土に順応しようとした日本建築の知恵がありました。

それは建物の南側に伸ばした屋根(庇 (ひさし))でした。その形は 部屋の外部に屋根を延ばして縁側=半戸外の空間 を設けたことです。

この延びた屋根庇が夏の日射を遮って、室内の部屋に日射が差し込まないようにしました。逆に冬には部屋の内部に日射が取り込められる装置になっています。

 ▶︎▶︎ 関連解説記事リンク →「陽当たりを良くする工夫」
 ▶︎▶︎ 関連解説記事リンク →「狭小地で風通しが良く陽当たりの良い家」
 ▶︎▶︎ 関連解説記事リンク →「二世帯住宅の吹抜けリビングを明るくする天窓トップライト」

夏の日差しを遮る

夏の日射は高度が高く、建物から伸びた屋根庇に遮られて、半戸外の縁側の先までを照らします。内部は屋根に覆われて直射日光は入って来ません。

冬の日差しを室内に取り込む

冬の日射は高度が低く、建物から伸びた屋根庇をくぐるようにして、半戸外の縁側を抜けて、内部の床まで照らします。内部の床は温められて、寒い冬の暖に役立ちます。

エアコンをはじめとする空気調和設備がない時代、夏暑く冬寒い日本の土地で、日本人が考え出した温度環境を調節するための知恵でした。

空調エアコンの性能が高くなり、建物の断熱性能も飛躍的に向上している現代では、このような外部に施す屋根庇を設ける住まいが少なくなりました。同時に縁側や濡れ縁といった 半戸外空間も無くなり、そこで起きる日常や生まれる会話も淘汰されつつあります。

自然の力に対して、人智が開発した新しい技術と浪費で環境をコントロールしてしまう方法もありますが、自然に順応する知恵を働かせて快適を目指す方法も一考かと思います。

 ▶︎「お客様の声」が掲載されています

space-white

住まいの無料相談・お問合せ

北島建築設計事務所の実績解説をご覧いただき、誠にありがとうございます。北島俊嗣の30年を越える設計業務経験に基づいた設計実績解説は、お客様の家づくりや建物のお悩みの解決にお役に立てたでしょうか。


設計業務で蓄積させていただいた、間取りプランの作成・確実な法的届出・工事予算抑制の工夫・防音や断熱の技術・空調や照明の知識 などを存分に利用していただくことで、お困りの課題を解決して、予算の範囲で〈豊かに暮らせる住まい〉を実現して下さい。


ご相談は無料です。ご相談をいただいても直ぐに費用は発生しません。ただし 間取りプランの検討や作成など 費用が発生する場合は事前にご説明し、ご納得いただいてからになります。ご相談には責任あるお応えをさせていただきます。


お問合せは、相談フォーム(下のボタン)から、または電話、メール、どちらでも構いません。ご相談は無料です。


電話:045-721-6566
メール:info@kitajima-architecture-design.jp
(タッチして つながります)


無料相談・お問合せ