大学キャンパス体育館プール建物の特定防火設備網無し透明耐火ガラス

東京都世田谷区三軒茶屋にある「昭和女子大学」様の敷地内で、屋内プールと体育館が一体になった「スポーツ棟」の建替え計画を、古橋建築事務所様が設計と監理をされました。「スポーツ棟」の意匠設計と工事監理を担当させていただきました。

特定防火設備と防火設備

万が一建物内で火災が起こったとき、その火災が隣の部屋や上下階に燃え移らないように「防火区画」と呼ばれる火災延焼防止の仕組みを設置することが建築基準法で義務化されています。

「防火区画」の代表例は鉄筋コンクリート造の壁であったり、水平床だったりしますが、壁や床は開口部が開いていないと人の往来が出来ないので、必要最小限開口部が開けられています。

その開口部にはコンクリート造の壁や水平床の防火性能と同等の防火性能設備(扉)によって閉ざされています。

これを「防火扉」と呼んでいますが、「防火扉」には防火性能の甲乙があって、「特定防火設備」と「防火設備」があります。

網入りガラスと透明耐熱強化ガラス

防火設備の防火性能は、鉄の1.5ミリ以上の厚さで覆われることがひとつの基準としてありますが、代わりにガラス窓にしたい場合は「金網み入りガラス 厚5.8ミリ」がその性能を満たしています。

金網みがガラスの中に挿入されている材料で、火であぶられてガラスは割れますが金網がガラス同士を離さないので、ガラスは飛び散ること無く残り、火を通すことなく延焼を防ぐという性能です。

しかし、この金網みはガラスの透過性を妨げるモノとして長年評判が悪く、最近この金網み入りガラス 厚5.8ミリと同等の防火性能を有する「金網みが無い」ガラスが開発され採用され始めています。

それは「耐火ガラス」という材料で、透明なガラスです。

「スポーツ棟」では、「金網み入りガラス 厚5.8ミリ」の代わりに、全てこの「耐火ガラス」が採用されました。

外壁周囲の窓ガラス

プールに面した扉にはめるガラス

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