大震災の後入居者がない旧耐震賃貸アパート収益物件

旧耐震と新耐震の建物がある

2011年(平成23年)3月11日、東日本大震災が起こり首都圏でも強烈な揺れを感じました。その揺れの感じ方は、建物の築年数によって大きく変わったようです。

その原因は何か?

大地震の年を遡ること30年前の1981年(昭和56年)、この年に建築基準法の大改正があり、特に構造耐震基準が強化されました。

この昭和56年の改正より前に建てられた建物を旧耐震基準建物(通称「旧耐震」(きゅうたいしん))、その年以降に建てられたものを新耐震基準建物(通称「新耐震」(しんたいしん))と呼ぶ様になりました。

崩壊してしまった建物は、この旧耐震の建物であり、逆に新耐震の建物は崩壊に至らなかったことが報告されています。これは1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災でも同じ状況です。

旧耐震の建物の印象

この旧耐震建物で地震を体験した方々の感想はひどいもので、直ぐにでもその建物から移りたいと思う方が多く、旧耐震の賃貸物件では地震後退出する方が後を絶たなかった状況を多く見聞きしました。

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旧耐震建物は大手不動産会社の運営するインターネット不動産情報サイトが掲載しない物件条件の築20年を過ぎていて、募集をする場合の悪条件も重なり、空室になってリフォームをしても新たな入居者が見つからず、非常に困っている大家さんの相談を多く受けています。

費用対効果を検討して方針を決める

旧耐震の建物は、構造の種別に関係なく人気が落ちてしまいました。

そこで耐震改修を全面的に行おうと思っても、入居者様が住んで居る状況で工事を行うことは改修工事範囲の限界があって効果が上がらないことも多く、また建物の寿命を鑑みても耐震改修の費用対効果が低くて、建替えを行った方が収益性が高いことになり、建て替えることを選ばざるを得なかった物件を見てきました。

(逆に旧耐震建物でも再構造計算したところ、新耐震基準同等を確認できた鉄骨造建物もありました)

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  • 建物の老朽化の程度
  • 耐震性能の強弱
  • 空室による収益の低下
  • 建て替えによる刷新

これらを長期的な視点で試算すれば、方針は自ずと明らかになります。

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