事務所を飲食店舗物販店舗に用途変更確認申請で事前協議が必要な福祉まちづくり条例

福岡市の賃貸オフィスビルの地上階路面店部分を「事務所」から「飲食店舗」と「物販店舗」に用途変更を行うことになりました。

関係法令の確認

用途変更は 建築基準法の確認申請のひとつです。

この届出を行う際にはこれだけではなく他の法令も関係して届出申請が必要な場合があります。

既存建物の規模や用途、そして新しく用途を変更する部分の用途や面積広さによって申請しなければならない法令が変わってきます。

今回の申請建物の管轄の福岡市役所で以下の法令について、今回の用途変更で申請が必要かどうかの確認を各窓口で内容を説明して確かめました。

  • 省エネ法
  • 建築紛争の予防と調整に係る条例
  • 都市景観条例
  • 屋外広告物条例
  • 雨水の利用の推進に関わる法律
  • 建築物における駐車施設の附置に関する条例
  • 自転車等駐車場の附置及び建設奨励に関する条例
  • 廃棄物の減量及び適正処理に関する条例
  • バリアフリー法
  • 福祉のまちづくり条例
  • 建築基準法
  • 消防法

結果「福祉のまちづくり条例」についてのみ 建築基準法の確認申請以外に申請届出が必要になることがわかりました。

福祉のまちづくり条例

福祉のまちづくり条例では、以下の主旨で施設建物の各施設整備が求められています。

以下 引用 はじまり

高齢者、障害者を等をはじめ、すべての人が安全で快適に利用できるよう建築物を整備することが重要です。建築物を新設、改修する場合は、移動や利用に困難を抱える人の利用特性に配慮し、次の項目などに取り組み、安全で円滑に利用できる建築物になるよう整備します。

①道路から利用居室まで安全に移動できる経路の確保

②施設や設備を利用する際の適切な空間や寸法の確保

③わかりやすく連続した案内・誘導の設置

以上 引用 終わり(「福岡市福祉のまちづくり条例 2-1-1 基本的な考え方」より)

とあります。

各用途別に 広さ (面積) に応じて 施設整備内容が異なります。

今回は、飲食店舗 (300m2以上2000m2未満) と 物販店舗 (300m2未満) で 整備する内容が異なりました。

店舗の出入り口扉

店舗に入店する際の出入口扉の幅は それぞれ最低でも80センチ以上の確保が必要です。

店舗内の通路

店舗の内部内は自由に移動ができるように 通路の幅は120センチ以上の確保が必要です。

店舗内段差はスロープ

店舗内の通路でどうしても段差が生じてしまう場合はスロープにして、その勾配を1/12以下になるようにします。スロープの壁には手すりを設置して、スロープ床は平坦な部分と区別しやすい明度を付けて、スロープの上端の床 (下がり始める部分) には点字ブロックを設置してスロープを認識できるようにします。

車いす対応トイレ (福祉型便房) 

車椅子でも利用出来るトイレであることを表示して、出入口の幅は80センチ以上確保し、車椅子が内部で回転できるスペースを確保して、腰掛け便器の周りに手すりを設けます。その他、車椅子のまま利用できる洗面器、オストメイト、ベビーベッドなどを設けます。

必要な整備内容の確認が行われました。

用途変更の規制緩和とその他の条例

建物の用途変更では、建築基準法の確認申請だけではなく、他の法令についても必ず関連するので注意しなければなりません。

建築基準法の規制緩和によって「200m2未満の用途変更は確認申請が不要」となりました。しかしながら上記の法令については、この緩和規定は当てはまりません。すなわち用途変更が行われる場合、上記の法令については、申請届出が必要と言うことになります。

福岡市役所の各担当窓口にそれぞれ用途変更の計画内容を説明して申請届出の必要の有無を確認したところ、今回は建築基準法の確認申請以外に、「福祉のまちづくり条例」の申請届け出が必要となることがわかりました。

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