歩道橋エレベーターEVシャフト建屋の雨水の防水浸入防止

JR戸塚駅近くの不動坂交差点（国道1号線）で、横断歩道橋が架けられることになり、身体に不自由のある方でもの自由に利用出来るように、エレベーターが設置されることになりました。エレベーターシャフト建屋の設計をお手伝いさせていただきました。

雨水流入防止

エレベーターは電力で動く繊細な機械です。屋外の風雨を直接受けてしまうと動作しなかったり、故障してしまいます。

エレベーターを保護するための覆いとなる建屋は、エレベーターが上下するための支えとなりながらも、外界の雨水や風や砂埃や悪戯をシャットアウトするために設けられます。

建屋への雨水の流入防止策について、屋根、外壁、乗り場の出入り口などそれぞれに講じられました。

建物への雨水の漏水による浸入は、材料と材料との繋ぎ目部分が離れたり劣化して穴が空いて侵入するというものがほとんどです。

屋根の広い面の中に事故や災害で損傷を加えられなければ防水面に穴が空いてしまうことは稀です。

そこで、屋根 (防水) には、屋根面の骨組みも兼用出来る金属パネル材 (アルミハニカムパネル) が採用されました。

金属パネル材 (アルミハニカムパネル) は、

の特徴があります。

乗り場出入り口から雨水が直接降り注がないように、乗り場の出入り口の上には、アルミハニカムパネルによる深く広い庇が設けられました。

地面と外壁の間には、コンクリートで作られた基礎立ち上がりが巡らされます。周囲に降り注いだ雨水が近寄って来ても建屋内に雨水を浸入させないために、立ち上がりのコンクリートの表面には塗料による防水膜を設けました。

交差点自体は、緩やかな坂道の頂上のような場所です。洪水で冠水した記録はありませんが、最近の集中豪雨(ゲリラ豪雨)のような短時間に雨が降り注いで周囲に流れない雨水を想定して、出入り口付近の床を歩行の支障にならない範囲で多少盛り上げて雨水が近寄らないようにしました。

それでも、出入り口周囲に雨水が溜またり近寄ったりすることを懸念して、出入り口前には排水側溝を設けました。排水側溝に入った雨水は排水管を通して排水処理されます。

万が一、建屋の中に浸入してしまった雨水は、外側に除去排水しなければなりません。しかしこちらは管理者様の場所からは遠方で、防犯カメラなどで状況は把握できたとしても、排水対処は即応ができないので、いずれかの方法で建屋外に排水出来る様にする必要がありました。

こちらの建屋への雨水の浸入水は、地形の状況から少ないと判断されたため、建屋の地下のコンクリートに穴(排水釜場)を開けて、たとえ雨水が浸入して溜まっても穴から地面に浸透していく方式が選ばれました。

公共施設-設計実績説明-横浜戸塚不動坂「歩道橋エレベーターシャフト」

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