横浜木造2階建て住宅のスケルトンリフォームリノベーション

ご家族皆様が以前に横浜から他県に移り住まわれて、この度ご家族は他県から横浜に戻られることになりました。

そこで改めて横浜の家に戻って住われる方の暮らしのご希望に沿って住まいをリフォームすることになりました。

当初は他の方にご相談をされていたそうですが、相談をしているともう一件建ってしまうのではないかと思うような見積り金額になり、その時点で「何かおかしい」と思い始めて、第三者に診てもらおうと思い立って、当方にセカンドオピニオン的にご相談をいただきました。

内容を拝見すると、

  • 意味のない増築
  • 必要のない外装の取り替え
  • 異常に高額な工事単価

を指摘させていただきました。これでは建替えのような金額になると申し添えました。

ご家族は考え直して整理されて、工事内容の分かりやすさと費用の明朗さを求められて、リフォーム設計が始められました。

遠距離リフォーム設計のはじまり

ご家族が住まわれているのは東北地方で、設計期間は新型コロナウイルスが非常に感染拡大していた時期だったので、県をまたぐ移動は見合わせるよう要請のあった期間のため、打ち合わせや現地の確認のためにお会いして相談する事はなくなり、ほとんどメールや電話で交信する遠距離リフォーム設計が始まりました。

設計と工事

リフォームされる住宅は木造2階建てで平成になってから完成した建物です。非常に綺麗に住まわれて居られたことがわかるほで内装は綺麗な状態でしたが、

  • 内装の全てを取り替える
  • 故障箇所を見つけて修繕する
  • 使い勝手が向上する場所があれば改修する

という方針でリフォームの設計と工事が始まりました。

解体して分かる故障と骨組み構造

内装の表面の材料を取り替えるだけであれば、設計者は必要ありません。

今回のリフォームでは、無駄を無くしてより暮らしやすく、短調だと思われた室内に少しでもアクセントを加えることが求められました。

今の内装の状態をそのままにして、何か新しいことを加えるには付け足ししかありません。それは部屋を狭くすることにもなり、新しい家具を購入すれば済む話しかも知れません。

多少でも内装の形を変えて、アクセントを加えるために、まずは骨組みは触らずに今ある内装の表面材料を下地まで壊して除去して、改めて何が出来るかを確かめさせて頂くことになりました。

構造は抜かない、補強する

原則既存の構造骨組みには触らないことにしました。逆にもっと耐震構造的に強くするために、筋交いを付け足したり、構造用合板で柱と柱を繋いで壁の下地を作りました。

ただ、既存の骨組みの一部を移動させることによって、とても使い勝手が良くなると判断出来た場合には、柱を移動させて、その場合にはその上部の梁を補強したり、筋交いを移動させた場合は直ぐ隣りへの移動と補強を行って、構造骨組みでバランスを崩さないようにしました。

玄関扉のシート巻き

玄関の扉について取り替えたいとご要望をいただきました。けれども、扉自体に故障はなく、壁に付いている枠を残して扉だけを交換すると枠と色合いが合わなくなり、枠ごと交換すると外壁の復旧補修が必要になります。

そこで、扉渡辺・枠 全部にお好みのシート(ダイノックシート)を貼り込むことで、お好みの見え方になることを説明してご承諾をいただきました。

当初ダークグレーだった玄関扉が木目調の扉になりました。

また、玄関の鍵は工事完成お引き渡しの当日にお客様の目の前で鍵屋さんに来ていただいて目の前で交換して、お引き渡しができました。

和室を無くす、キッチンを移動

既存のキッチンリビングは、1部が和室になっていました。ご家族は和室使い勝手が良くない、中途半端と思われていたので、和室を無くしたいご希望いただきました。

また壁付きのキッチンは和室の対角線上の位置にあってリビング挟まれた場所でしかなく、それほど広さを感じない状況でした。

そこでキッチンを和室があった位置に移動して広いリビングを確保することにしました。キッチンを和室にあった押し入れを開放して壁付のキッチン台を差し込んで、長いキッチンカウンターになれるようにしました。

2階の床を支える柱はキッチンとリビングを区切るものとして残しました。

キッチンとダイニングの領域を確保し、リビングの広さを拡充できた間取りプランの変更でした。

キッチンカウンターの位置は、

  • 壁付け
  • 対面型
  • アイランド型

とプランを作成して比較検討していただきました。

検討の結果、壁付きキッチンが選ばれました。

キッチン背面壁を汚れを落としやすい壁材を貼る

壁付けキッチンの壁面は、汚れにくい もしくは 汚れが落としやすい材料を念頭に検討されて、

  • 磁気質タイル
  • メラミン樹脂ボード

を提案して、メラミン樹脂ボード(キッチンパネル)が貼られました。

仏壇置場

リビングには小型の仏壇がありました。以前は和室の壁面に寄り添ってありましたが、今回は和室がリビングの中に取り込まれましたので、新たな場所に移動することが必要になりました。

まず南もしくは東に向くことを考えて位置する場所を定め、拝礼する高さを合わせて、仏壇の下に台を設けて仏壇を載せることにしました。台は収納棚にしました。

階段手摺

玄関を入るとすぐに2階に上がる階段が目に入ります。この手すりをデザインすることが求められました。

既存の段々は変えずに、玄関から丸見えだった階段を多少見え隠れするようにして、通路を挟んで反対側にある脱衣室への視線も遮るようにして、縦格子の形の手すりを付け加えました。

天井撤去して梁露出

個室はどの部屋も天井が貼ってあり、単純な四角い箱のお部屋でした。

前に記述した通り、初めに構造骨組みを除いた部分を解体撤去して、どのような状況になっているかを観察させてもらいました。個室の天井を撤去してみると、天井には断熱材がなく、屋根面に断熱材が貼られていることがわかりました。また、見事な梁と小屋組(斜めの屋根を支える骨組み)が現れました。

そこで天井を復旧することをやめて、屋根面を天井にすることで梁と小屋組を露出させて天井高の高い吹き抜け空間を作ることにしました。屋根面には断熱材が設置されていましたが、さらに断熱材を充填して断熱効果を高めて、吹き抜けになっても暑い寒いがないようにしました。

吹抜け・天井間接照明

吹抜けのある高天井になった個室の照明は、針の上にライティングレールを2段に設けて、ライティングレールに拡散型のスポットライトを付けて、上側を上部の天井を照らして、下側は下方や壁面を照らすものにしました。

ライティングレールにスポットライトを取り付ける方式は、好みによって照明器具を追加したり減らしたりすることができて、さらに照らす方向を自由に調整できるので、住まう方の好みに合わせられる照明の方法だと考えています。

天井格子照明

キッチンと1つの個室部屋には天井に格子を設けて、格子の空いている部分から光が降りてくる造作を取り付けました。

平坦になりがちな天井にアクセントをつけた造作デザインです。

化粧鏡(ドレッサー)造作

女性のお化粧を座って整える化粧台造作を設けました。

大きな鏡、鏡の周囲から漏れるように間接照明、大の下に引き出し、左右に収納棚を設けました。

もともとここは折戸のついた押し入れで、折戸を取り払って化粧台を設けるスペースにしました。

ドライヤーをそのまま置ける棚を設けてほしいご希望いただいて、左側の収納棚板には凹みを設けて、ドライヤーをそのまま置いておける場所を設けました。

クローゼット収納

各お部屋には収納クローゼットがありました。大きめの枕棚、衣紋掛けをかけるまぁ、場所を交換できる可動棚と取り付け金物をちりばめて、自由に収納方法が選べられるようにしました。

壁掛けTV

大型のテレビモニターは壁掛けにされるご希望をいただきました。

壁面は大型テレビモニターがかけられるように硬い下地を組み込んで、電源コンセントと外部入力ケーブルを取り付けました。

また周囲の壁面の仕上げ材を、グレーや黒色にしていただくことで、はっきりと画面が見えるようにしました。

木材と白のデザイン

今回のリフォームの仕上げ材選びはお客様ご本人が最終的に選ばれました。全体の調子は明るく暖かく広くなるようにと理解して、お選びいただく材料の選定を検討提案したつもりです。

壁面や天井は白色にして明るく広く見えるようにして、木材が現れる場所は可能な限り明るい木目調の色を選んでいただくようにお勧めしました。さらに照明は暖かい温白色を基調として、温かみのあるお部屋になるようにしました。

ロールスクリーン

既存のお住まいの窓にはカーテンを取り付けるレールが付いておりましたが、今回お客様のご要望で窓はすべてロールスクリーンが取り付けられました。

洗濯機・ゴミ取りボックス・かさ上げ脚台

洗濯機の下部には洗濯機パンと呼ばれる水漏れ防止の箱を取り付けることが多いのですが、水漏れもほとんどなく、大型の洗濯機を据え付けるために洗濯機パンは取り付けることをやめました。

また洗濯機から出るゴミを途中でろ過するゴミ取りボックスを設けました。このために洗濯機自体を床から上げる必要があったので、かさ上げの脚台を重ねました。

洗濯機ゴミ取りボックス

遠距離設計

今回のお住まいのスケルトンリフォームでは、お客様はそちらにまだ住んでいないので、設計中、工事中に現地に参られたのは2度でした。

連絡、相談、確認のほとんどすべてをメールと電話でやり取りした事は事実で不可能ではないとは思います。しかし実際の目で材料や現地の状態をご覧いただけないお客様には多少のご心配をおかけしたことは事実です。

改善の余地があったことを自覚して今後の設計業務に活かして行きたいと思います。

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