年に数回ある大型在庫セール
東京清瀬市の せんべい和菓子販売店舗「味億本舗」様は年に数回特別価格のセールを行います。
その際は在庫が一掃するような人気があり、おせんべいを求めて開店前から行列ができる人気店です。
広い在庫倉庫が必要
既存の店舗では、販売店舗が手狭で、さらには商品在庫を保管する倉庫が全く足りず、商品の保管は点在し、在庫を一掃するようなセールの日には商品の搬送が煩雑になりお客様への提供も滞るときがあるなど困っておられました。
既存店舗の近接地に新たな土地を確保されて、広い倉庫がある新店舗を建てることになりました。
商品の搬入搬出ルートと間取りプラン
大量の商品を一時的に保管し、一時期に一挙に排出して販売することが出来るように求められました。
確保された敷地に対して可能な限り広い販売店舗と大量の商品を保管できる倉庫を計画することになりました。
1階販売店舗・2階倉庫
地上1階がお客様が来られる販売店舗になり、商品を保管する倉庫が2階に位置することは自然に定まりました。
最大の建ぺい率、容積率で建物の規模は定まりました。
1階と2階をエレベーターで結ぶ
1階に店舗、2階に倉庫という配置が定まった次に、
- 外部から2階倉庫への商品の搬入
- 2階倉庫から1階店舗への商品の搬出
- 商品の動線ルートはお客様の動線とは接触しない
の動線ルートをいかに確保するかが検討されました。
まず商品の搬出入移動のためには 1階と2階とをエレベーターで結ぶことは必要とされました。
段ボール箱に入った商品が大型の台車で搬入され、そのままエレベーターに乗り2階の倉庫まで移動できることが求められました。
自然、エレベーターは大型の台車が入るエレベーターの大きさになります。
上記の様な商品の動線条件が整理されて、エレベーターに求められる位置や形状が整理できました。
エレベーターの動線
1階と2階とをつなぐエレベーターは以下のような仕様になりました。
- 出入り口は2カ所ある
- 一方から入ると他方に出れる通過式
- 1階の出入り口は、ひとつは外部、片方は店舗内部に面している
- 2階の出入り口は倉庫内部に面している
となりました。
大量の商品の保管を販売窓口直近で確保することができて、お客様への商品の供給がスムーズになり、かつ沢山のお客様にご利用していただけることになりました。
店舗の演出
新たに建てる店舗として、商品購買のために 建物外観・内装インテリア・実演販売の部分で演出が施されました。
外観
建物の外観は販売する商品が「せんべい」という日本の和菓子のため、そのイメージに直結する和風のイメージが求められました。
店舗は並木が続く街道沿いにあるため、抽象的な和風のデザインと言うよりも明確に本瓦と銅板が葺かれた勾配屋根として、本格的な数寄屋建築を目指しました。
周囲の建物や店舗と区別され、お客様への確かな和菓子のイメージを発することができたと思います。
▶︎ 関連記事「和風菓子店舗建物の勾配切妻屋根意匠と本瓦金属板噴き材料」
内装
内装も本格的な和風の意匠を取り入れました。数多ある商品の背景となっています。
実演販売
店舗出入り口に隣接して、せんべいを焼く実演コーナーが設けられました。さらに隣接してお買い求めになられたお菓子をその場で味わえるコーナーも設けました。
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和風店舗-設計実績説明-東京煎餅和菓子店舗「味億本舗」
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