豊田市美術館と庭園と数寄屋建築茶室苑

次女がご厄介になっている、麗澤瑞浪中学・高等学校の文化祭「麗明祭」にお邪魔した後、道行き途中の愛知県豊田市にある「豊田市美術館」に立ち寄りました。

豊田市美術館

豊田市美術館は、私の前職の設計事務所である谷口建築設計研究所(所長:谷口吉生)の設計作品です。私も完成後 退所するまで改修メンテナンスの担いを務めました。

もうすぐオープンして20年となる建築全体は、非常に高い意識で維持運営されていることが伺えるほど、綺麗な佇まいを見せてくれました。

豊田市美術館

美術館は、近代美術および現代美術、髙橋節郎氏の作品、そして企画展示を行う3つの美術館に分かれていて、当日はどちらも盛況でした。

豊田市美術館

そしてこの美術館の特徴のひとつである、3つの美術館をつなぐ水平パーゴラ越しに観るランドスケープ庭園を楽しみました。ここからは豊田市街が一望出来ます。

そんな日常と非日常を見渡せる場です。

豊田市美術館

庭園の奥には、「童子苑」と称する数寄屋建築茶室と庭園を有する苑があります。今回はそちらにもお邪魔して、束の間ではありますが、名建築の中に身を置くことができました。

豊田市美術館-童子苑

この現代建築の先端を象徴するような美術館と、日本の伝統的な面持ちを見せる数寄屋建築がひとつの敷地に介し、庭園を挟んで対峙しているという日本的な妙を改めて感じない訳にはいきませんでした。

豊田市美術館-童子苑

さらに双方とも、同一の建築家で設計されたウルトラC的な離れ業を、何事もなかったように美術館の外壁や外部床に使用されている緑色の自然石を、数寄屋建築の寄付きアプローチや縁側の床石に使用して調和させていることは、自然と馴染んでいて、建築家の深いメッセージであることに違いありません。

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