ディズニーランドの心遣いに真のバリヤフリーを感じる

三寒四温の日々も終わろうとしていて、桜の開花も宣言された頃合いに 義両親と私達家族4人の計6名で 東京ディズニーランドに行って参りました。

齢80を超している義両親のうち 義母は、杖をついてゆっくりと歩んで アトラクションを巡っています。

建物整備のバリヤーフリー法令

建物の整備を行う世界では、様々な人々が利用する建物施設においては、誰もが施設を支障なく利用できるように法令が整備されていて、その整備基準に従って施設を造らなければなりません。

ここで言う「支障」とは、身体の支障により

  • 建物の床の段差があることによって歩行往来ができなくなる
  • 出入口の扉の開きが小さくて出入りができなくなる

などの、自由な通行を妨げるモノです。

これらの支障を無くすように施設を整備するよう定められています。

もちろん他にも 上下階に移動するための階段やエレベーター、用を足すためのトイレなども、支障なく利用できるよう詳細な整備基準が定まっています。

これらの整備基準は、身体の支障を持つ方々が独りでも利用できるために定められているもので、介添をする方が居られれば 難無く出来るものも多くあります。

キャストさんの集中力と魔法の杖

話をディズニーランドに戻しまして、家族の手配で義両親が可能な限りアトラクションで待ち時間が無かったり短くなるように工夫してくれて、本当にスムーズにゆっくりとアトラクションを楽しむことが出来ました。

アトラクションを訪れる度にそちらに居られるキャストさんが、義両親 特に杖を持つ義母を見ると、優しく笑顔で介添えや段差のない通路などを案内してくれるのです。

その自然さと徹底には、後ろから付いていく私にも心を温かく包まれるような気持ちにさせられるごとく有難い気分になれました。

現れたバリヤーフリーの造作

特に驚いたのは、『ウエスタン・リバー鉄道』に乗車したときのことでした。

列車に乗る駅は地上から上がった位置にあります。家族が駅に近寄ると、地上にいるキャストさんが笑顔で「どうぞこちらへ」と誘導してくれます。一般の乗客皆様とは違うルートですが、エレベーターがありなだらかなスロープでプラットホームに到着します。

その床は一般の乗客皆様が待つ床の高さより高くなっていました。

列車が到着すると、キャストさんの一人が、プラットホームから床を引き出し 扉を回転させて手摺にしたと思うと、客車の扉と柱を取り外すようにして、家族が段差なく客車に乗車できるようにしてくださるではありませんか!

家族は「ありがとう」と言って乗車して行きましたが、私は驚いてしまいました。「ここまでするのか?」と思ったのです。

家族の乗った客車の席は機関車の直ぐ後ろの席ですが、他の席と何ら見た目変わらず、外観も他と同じ柱と扉が付いています。支障をもった方へ特別な思いをさせない、気付かせない、とてつもない設えです。

その見た目 他の席と何ら変わらない場所が突如 歩行の弱い義母とその家族のために何の掛け声もなく提供される心遣いの凄さを感じました。

その席は通常は一般の乗客の皆さんが乗る場所となっているはずです。すると私達が乗らせていただいた列車のホームの停止位置も、通常とは異なる位置に止まったのです。

たったお一人のサービスだけではなく、ウエスタン・リバー鉄道のキャスト皆さんが黙って笑顔で対応してくださっているのです。

動画は乗車する際は驚いてしまい ただ立ちすくんで見ていましたので、後者した際の客車とホームの設えを撮影したものです。

 ▶︎ ウエスタン・リバー鉄道 ホーム乗車 動画1

 ▶︎ ウエスタン・リバー鉄道 ホーム乗車 動画2

笑顔を導く真のバリヤーフリー

誰もが支障なく施設を利用できるように、制定された法令の整備基準を守って建物施設を整備することは義務として重要なことです。

しかしながら 本当のバリヤーフリーとは、まず自分自身で相手の支障に気付き、気付いたことを悟らさせないで支障がある人の支障を無くすもてなしをする気持ちと行動であることを、ディズニーランドのキャストさん達の行動とアトラクションの設えに感じました。